だて内科クリニック
〒285-0846
千葉県佐倉市上志津2007-1
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京成志津駅 徒歩12分
京成志津 JR四街道
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日本の糖尿病人口は増加の一途を辿っており、40歳以上の3人に1人が、糖尿病または糖尿病予備軍になっているといわれています。
また、2011年の糖尿病アトラス(IDF:国際糖尿病連合)によれば、日本の糖尿病のみの人口は1067万人に上り、糖尿病人口の世界ランキングワースト第6位となっています。
それでは近年どうして糖尿病が増加しているのでしょうか?
食事をすると血糖値が上昇し、膵臓から血糖を下げるホルモンであるインスリンが血中に分泌されます。このインスリンが体の細胞に作用することによって血中の糖分が細胞に取り込まれ、血糖値が低下します。インスリンの出が悪くなったり(インスリン分泌不全)、インスリンが出ていても効きが悪くなると(インスリン抵抗性)インスリン作用不足となり、糖分が血中に停滞し血糖値が上昇していきます。
日本人を含む東アジア人は欧米人に比べると遺伝的にインスリン分泌能が弱いといわれています。古来より日本人は、魚類、野菜、米食中心の食事をしてきましたが、近年、食の欧米化で動物性脂質をより多く摂取するようになりました。毎日カロリーの多い食事を摂取したり肥満になるとインスリンの分泌が多くなるため膵臓が疲弊してしまい、ついにはインスリンを出す力も低下し、血糖値を下げきれずに糖尿病を発症してしまいます。
このような理由で、インスリン分泌能の弱い東アジア人は糖尿病を発症しやすいと考えられています。もう一つの理由としては、現代人の運動不足が挙げられます。車などの交通機関が発達し生活が便利になった反面、活動量、運動量が減ってきました。運動量が減ると消費するカロリーが減り、摂取するカロリーの方が多くなると体重が増加し、肥満につながります。
実際、脂肪摂取が多くなるほど、また車の保有台数が増えるほど糖尿病が増加する相関関係が認められています。
糖尿病は自覚症状の乏しい病気ですが、次の点に注意して、当てはまる場合は、早めの検査をお勧めします。
糖尿病の診断基準は、空腹時血糖が126mg/dlを超えたり、300kcal相当のブドウ糖液を飲んだ2時間後に血糖値が200mg/dlを超えたりしたときに糖尿病と診断されます。
糖尿病においては、食事療法と運動療法が治療の基本であり、実は薬より大切である事を忘れてはなりません。
当院では、患者様ごとのライフスタイルにあった食事や運動に関するご指導を行っています。
患者様お一人お一人の状態や生活背景に合わせて、様々な薬の中から適したものを選択し処方いたします。また、インスリン注射も外来で導入が可能です。
尚、飲み薬を使うかインスリンを使うか、あるいは両者併用かは、病状や体質、生活背景に合わせ、相談の上で決定致します。
糖尿病は、治療を放置したり、発見が遅れたりして合併症が出現してしまうと生活の質の低下につながり、最悪で失明や心血管病の発症などをきたし命に関わることになりかねません。
糖尿病の背景には、日常生活の食事と運動(活動度)が大きな部分を占めています。食生活の欧米化による生活習慣病の急激な増加とそれによる心血管病などの動脈硬化性疾患の増加は、日本人が古くから行ってきた食生活を見直す警鐘であるとも捉えられます。
糖尿病を正しく理解し、糖尿病の発症や合併症を未然に防ぐよう普段から健康的な生活スタイルを意識していきましょう。